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亀梨と話をして、俺はしばらく海を見ていた。
だが、日も暮れてきて、俺はぴぃと共に寮に帰った。
そして、俺らは夕食を食べて、それぞれの部屋に戻った。
部屋に戻ると亀梨が机で勉強していて、俺はそっと自分の椅子に座った。
『なぁ。』
俺が話しかけると、亀梨は手を止めてこちらを見た。
『なに??』
『なんで、今回は海に来たんだよ。』
『なんでって。』
俺はまっすぐ亀梨を見た。
『それに、あの海が嫌いって。』
『言いたくないこともあるんじゃねぇの。』
俺がそう言った瞬間、誰かが入ってきて、そう言った。
『...聖。』
俺はそう呟いた。
『これ、ありがとう。助かった。』
そう言って聖は亀梨に課題を返した。
そして俺を見た。
『気になっても聞かない方が良いこともある。』
『それは、』
『やめろ。』
俺らが言い合いになりそうになっているのを察して、亀梨はそう言った。
『もういいから。ってか聖も座れ。』
『でも。』
『いいから。』
亀梨にそう言われて聖は渋々、座った。
『なんであの海が嫌いかって話だったよな。』
『あぁ。』
『簡潔に言う。あの海は、俺の人生を狂わした所だから。』
亀梨の真面目な顔に、俺は何も言えなかった。
『あの海で、父さんは死んだ。だから、嫌いだ。』
亀梨が言い切ると、聖が立ち上がった。
『かめ。』
『ごめんな。今まで言えなくて。』
亀梨はそう言うと、聖に向かって頭を下げた。
『いいんだ。』
そう言って聖は優しく笑ってから、黙って部屋を出ていった。
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