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夏休みも中盤に差し掛かり、俺はぴぃと一緒に課題のラストスパートをしていた。
今回は余裕を持って終わらせて、俺らは一息つくと、ドアが開いた。
俺がドアを見ていると、亀梨と聖が入ってきた。
けれど、いつもの様子では無かった。
『だから、終わったことだから良いだろ。』
『かめ、俺はそういうことを言ってんじゃない。』
そう言いながら、亀梨と聖は部屋の中に入ってきた。
『結果が良ければ全て良いなんて、ケースバイケースだろ。』
『だから、なんだよ。』
そう言うと聖は亀梨に詰め寄った。
『お前のこと、心配して言ってんのが分からねぇのかよ。』
『心配してほしいなんて、言ってない。』
亀梨のその一言で、聖は亀梨から離れた。
『そうかよ。ならもういいよ。』
そう言って聖は足早に部屋を出ていった。
一瞬だけ見えた聖の表情は泣きそうで辛そうだった。
『ぴぃ、聖のこと。』
『わかってる。』
そう言ってぴぃは部屋を出た。
それを見送って、俺は亀梨を見た。
『いいのかよ、聖は。』
『別に。』
亀梨は俺を見ずにそう言った。
『聖は心配してるだけだろ??』
『わかってる。』
そう言う亀梨をこちらに向けた。
『こっち、見ろよ。』
そう言うと亀梨は俺を見た。
『すげぇ表情してたぞ。』
『お前に関係あんのかよ。友達づらすんなよ。』
亀梨はそう言ってしまったことに気付いて、申し訳なさそうにしていた。
『関係ない。けど、いくら関係ねぇやつでも、あんな表情をするやつをほっておけないだろ。』
俺は冷静にそう言った。
それでも亀梨は何も言わなかった。
俺は、ため息をついた。
『よく考えろよ。』
そう言って俺は部屋を出た。
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