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部屋を出た俺は庭に向かって歩いた。 そして、庭の入り口にぴぃが立っていた。 『どう??』 『全然。』 『そう。』 俺はそう言って聖に近づいた。 『ここ、良いか??』 『勝手にして。』 その返事を聞いて、俺は隣に座った。 『...。』 『俺は友達じゃないんだから、振り回されたくない。』 『だったら、ほっとけよ。』 聖は俺を見ずにそう言った。 『そうはいかないんだよ。なんか、亀梨のことほっておけないんだよな。』 『...。』 『だから、聖の気持ちはわかる。』 そう言うと聖は俺を見た。 『なんと言われても心配なんだよな。』 『まぁ。』 『でもやりすぎは逆効果だと思うぞ。』 俺がそう言うと聖は正面を見た。 『やりすぎたよな。』 『何でお前らが喧嘩したのか、わからないけどな。』 『...一日、バイトしてた。』 その言葉に俺は驚いた。 『それだけ??』 『それだけって。』 『たかがバイトで喧嘩したのか??』 『そうじゃねぇ。』 そう言って聖は俺を見た。 『俺は、バイトしてたことを怒ってるわけじゃない。その内容を言わないから怒ってるんだよ。』 『聞いても教えてくれねぇのか??』 『聞いてもバイトじゃないって。わざわざ隣の町まで行くのに、バイトじゃないって言うんだ。』 そう言って聖は俯いた。 そんな聖に俺は何も言えなかった。 そして、気配を感じた。
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