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あれから日は経って、約束の日がやってきてしまった。
行くと言ったものの、俺は迷っていた。
『起きたなら着替えろよ。』
その声に俺は起き上がった。
そこには、椅子に座る亀梨が居た。
『もう起きてたんだ。』
『そりゃ、9時にもなれば、起きてるだろ。』
そう言われて俺は時計を見た。
『うわっ。』
俺はそう言って急いでベッドから出た。
それから着替えを済ませて、準備を整えた。
『用意できたなら、行くぞ。』
そう言って亀梨は歩き出した。
そして、聖とぴぃと合流して、バスで隣町に向かった。
俺らはただ、亀梨の後についていくだけで、バスを乗り換えながら、一緒に行動した。
着いたのは、坂道が広がる所。
『どこだよ、ここ。』
ぴぃはそう呟いた。
『ついてこい。』
そう言って歩き出した亀梨の後、を置いていかれないように、ついていった。
坂道を上りきると、そこには丘が広がった場所だった。
『あそこの墓石、わかるか??』
亀梨は俺を見ながら、先の方を指した。
『あぁ。』
『あれが、赤西の両親が居る場所だ。』
そう言われて俺は亀梨を見た。
『..え..??』
『俺がバイトみたいなのをしてるのは、ここの手入れ。』
そう言って亀梨は前に進んだ。
そして、亀梨は墓石の前で跪いた。
『息子さん、連れてきましたよ。』
俺は離れた場所でそれを聞いた。
『赤西、こっちこいよ。』
そう言って俺は近づいた。
そして、改めて墓石を見た。
墓石には赤西の文字。
『現実なんだから、受け入れろよ。』
亀梨はそう言って立ち上がった。
俺は一人、跪いて手を合わせた。
そして、ぴぃたちの元へ戻った。
『奥に食堂がある。昼食を食べよう。』
亀梨の一言に俺らは昼食にした。
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