393人が本棚に入れています
本棚に追加
- K
部屋を出て俺は、急いで中丸の部屋のドアを何度も叩いた。
何度か続けるとドアが開き、俺は胸を押さえながら倒れ掛かった。
『かめ!?』
中丸はそう言いながら、受け止めてくれた。
そして中に入れてくれて、俺の口にスプレーを当ててくれた。
しばらくすると、俺は少し落ち着きを取り戻した。
『中丸、悪い。』
『気にすんな。』
そう言って中丸は俺をベッドに寝かせてくれた。
『まだ、苦しいか??』
『だいぶマシになった。』
そう言いながら、俺は呼吸を整えた。
『今日は、ここに居るだろ??』
中丸の問いかけに俺は頷いた。
『ご飯は??』
『いらない。』
『わかった。じゃあ、寝ろ。』
そう言われて俺は、少し笑った。
『今日の中丸、逞しい。』
『いいから、寝ろ。』
そう言って中丸は布団を掛けてくれた。
それからしばらく経って、遠退く意識に、中丸の声が聞こえた。
『ゆいちゃんが今日、言ってたぞ。もう黙ってられないって。我慢の限界に到達してるってよ。』
その言葉に俺は言葉を発したかったが、眠りについてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!