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夏休みも終わって、慌ただしく日々を過ごした。
そして、テストや文化祭を越えて、とうとう冬になってしまった。
寮では毎年恒例のクリスマス会の打ち合わせをしていた。
と言っても、参加は自由で俺はいつも参加しない。
『なぁ、仁。』
部屋でゴロゴロしていると、ぴぃに呼ばれた。
『なんだよ。』
『毎年、どうしてクリスマス会に参加しないんだよ。』
ぴぃは不満そうにそう言った。
『特に理由はない。ただ、面倒なだけ。』
俺はぴぃを見ずに、そう言った。
しばらくすると、部屋に亀梨と聖が入ってきて、俺らは話すのをやめた。
『なぁ、かめ。』
『なんだよ。』
『本当に行くのか??』
『あぁ。』
亀梨はダルそうにそう言った。
そして、亀梨が椅子に座ると、すかさず聖が目の前に立った。
『大丈夫なのかよ。』
『聖がバラさなきゃ大丈夫。』
亀梨がそう言うと聖は納得してない顔をした。
『やっぱり、俺休む。』
聖の言葉に亀梨は立ち上がった。
『それはやめろ。』
『でも、毎年かめは一人で行ってるんだろ??』
『一人じゃない時もあった。』
『誰と行ったんだよ。』
聖がそう言うと亀梨は黙った。
『言えない奴と行ったのか??』
『言えばいいんだろ??』
『あぁ。』
『赤西だよ。クリスマスの日に毎年行ったし、来てくれてたみたいだし。』
亀梨の言葉を聞いて、俺は起き上がった。
『赤西が??』
聖はそう言って俺を見た。
『もしかして、あの場所??』
『あぁ。』
亀梨がそう言って頷いた。
『俺も行く。』
聖はそう言って聞いてはくれなかった。
『わかった。じゃあ、一緒に行こう。』
亀梨は渋々、了承していた。
『中丸にも上田にも言っておけ。』
そう言うと聖は納得して部屋を出た。
『...山下も錦戸も連れてくれば、この際だから。』
『...なんだよ、それ。』
ぴぃがそう言ったが亀梨は聞かずにベッドに入った。
『なぁ、ぴぃ。』
『ん??』
『少し、亀梨と話したい。』
俺はぴぃを見てそう言った。
すると、俺の熱意に負けたように、部屋を出ていった。
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