393人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋が静かになって、俺は振り向いた。
『なぁ、亀梨。』
『なんだよ。』
亀梨は俺を見なかった。
『知ってたのか??俺があの山小屋に毎年行ってたのを。』
『俺はクリスマスの次の日に行ったからな。』
そう言われて俺は少し笑った。
すると、亀梨は起き上がって俺を見た。
『赤西こそ、山小屋に来たりして、いいのかよ。』
それを聞かれて、俺は目を見開いた。
『亀梨、お前。』
『俺はそういうのは、嫌。』
亀梨の目はまっすぐだった。
俺が知っている亀梨の目だった。
『正直言って、大丈夫かなんて分かんない。でも、行かないとって思う。』
『どういう意味だよ。』
俺は一瞬、言おうか迷った。
けれど、勢いに任せて俺は口を開いた。
『あそこが亀梨との親友を誓った場所で破ったのもそこだから。』
俺の言葉に亀梨はクスッと笑った。
『なんだよ。』
『お前って昔から、能天気つうか、自由奔放だよな。』
そう言って亀梨はもう一度、寝転がった。
『なんだよ、それ。』
それから俺も、ベッドに入り目を瞑って眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!