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ぴぃと話している間にチャイムが鳴って、先生が来た。
「おい、席に着け。」
そう言われてクラスの奴らが、慌ただしく席に着いた。
「今日から新学期が始まる。二年に学年が上がったんだ。落ち着きを出して、気持ちを引き締めるように。」
その言葉に、クラスの奴らは疎らに返事をする。
「それでは、転入生だ。入ってこい。」
その言葉にドアが開いて、人が入ってきた。
そしてそいつが教壇の前に立った時、俺は衝撃を受けた。
そこには、朝の夢にも出てきた、会うことがないと思っていた、親友の姿だった。
「紹介する。亀梨和也君だ。」
『亀梨和也です。』
そう言ってそいつは、お辞儀をした。
「亀梨君の席は、赤西の隣だ。」
その先生の声に、俺ははっとした。
『...。』
俺と目が合ったそいつは何も言わなかった。
そして、歩き出したそいつから、目を離せなかった。
『...。』
俺の隣に来たその瞬間も、何も言わずに席に着いた。
「それでは、朝のHRを終了する。」
そう言って先生は教室を出た。
その瞬間、女子がこちらに来た。
『亀梨君。』
『ん??』
『よろしくね。』
『うん、よろしく。』
そう言って微笑んだそいつを見て、そこに居た女子はメロメロになっただろう。
それから女子はそいつの話をしながら、去っていった。
『かめ。』
そう呼んだのは、聖だった。
『お、聖。』
『久しぶりだな。』
『うん。』
『なんかあったら、すぐに言えよ。』
そう言って聖は頭をくしゃっとして、席に戻っていった。
そして、それをボーッと見ていると、俺は視線を感じた。
そして、俺は視線を隣に移した。
『...。』
『...。』
俺はじっと見つめた。
『...この学校なんだ。』
そう言ってそいつは立ち上がって、教室を出ていった。
それからすぐに、チャイムが鳴り、俺は我に返った。
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