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- K
食事も終わって俺らはゆっくりしようと考えた。
赤西たちも同じで、その場で寛いでいた。
すると聖がムクッと起き上がった。
『なあ、かめ。』
『ん??』
『毎年、ここで何してるんだ??』
聖は不思議そうにそう言った。
『ここで、いつも父さんと居るんだ。』
『父さん??』
俺はふと、ドアがある部屋を見つめた。
『ってか、俺らに教えてくれたこと、無かったよな??』
そう言うと中丸と上田もこっちを見た。
『赤西は、知ってるみたいだけど。』
上田はすぐに赤西を見た。
『赤西のじいちゃんが建てた小屋だから、知ってて当たり前だ。』
俺がそう答えると、いきなりドアが開いた。
そこには、予想もしなかった人が立っていた。
赤西も山下も錦戸も立ち上がって、俺らも全員立ち上がった。
『..ゆい..。』
赤西のか細い声が、響き渡った。
『...何しに来たの。』
俺がそう言うとゆいちゃんは俺を見た。
『亀梨くんに会いに来た。』
そう言われて、俺は前に進んだ。
そして、ゆいちゃんの腕を俺は掴んだ。
『場所を移動しよう。やっぱり、二人っきりがいいし。』
俺はそう言ってゆいちゃんの体を引き寄せた。
そして、俺ははっきり見えた。
赤西の傷ついた顔。
それでも俺は、気付かないフリをして、小屋を出た。
山下が何かを叫んでいたが、気にも留めずに。
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