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ゆいがいきなり来て、亀梨と出ていってから、俺らの間の空気は最悪だった。
ピリピリとした空気の中、亀梨は小屋に戻ってきた。
『かめ。』
聖はそう言って立ち上がった。
『帰るぞ。』
そう言って亀梨は荷物を持って小屋を出た。
その後を聖と上田が追い掛けた。
俺は中丸と目が合ったが、反らされ後ろ姿を見送った。
そして、俺らは夕方まで小屋で過ごして、寮に帰った。
寮に帰ると、先輩がクリスマスの料理をくれて、俺らはそれを食べてから部屋に戻った。
部屋に向かうと、亀梨とドアの前で出くわした。
『...。』
亀梨は何も言わずに、部屋を出ていった。
『亀梨。』
俺が声を掛けると、亀梨は立ち止まった。
『あのさ、』
『やめろ。』
亀梨は俺の言葉を遮って、話をした。
『もう何も話すことはない。』
そう言って亀梨はこちらを見た。
『勘違いするな。俺はお前と話すつもりはない。』
『お前。』
聞き覚えがあると思い、俺は振り向こうとしたが、それよりも先に相手が亀梨に掴みかかった。
『ぴぃ。』
そう言っても、ぴぃはピクリとも動かなかった。
『仁を傷つけるのは、許さない。』
そう言いきったぴぃの腕が誰かによって離された。
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