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- K
上田と一緒に部屋に戻り、俺らは中丸が帰ってくるのを待った。
しばらく待っていると、中丸が帰ってきた。
中丸はまっすぐ俺の前に座った。
『中丸。』
『話してきた。』
中丸は静かに口を開いた。
『これ以上、かめが傷つく姿は見たくない。』
『...中丸。』
俺がそう言うと、上田が俺の肩に手を置いた。
『俺も中丸に賛成。』
『上田。』
そう言うと上田は少し微笑んだ。
そして、中丸を見ると真剣な目をした。
『俺は憧れだった。赤西とかめの関係が羨ましかった。こいつらと、友達でいたいって。』
『...中丸。』
『俺が言えないこともある。でも、言えることは全部言う。』
そう言われた時、ふと、今日の出来事を思い出した。
『同じようなこと、ゆいちゃんも言ってた。』
俺は中丸から視線を外しながら、そう言った。
『かめ。』
『ゆいちゃんの目も、中丸の目も真剣で怖い。』
俺は中丸たちに本音を言った。
『かめ。』
そう言って上田に引き寄せられた。
『俺らはいつでもかめのことでは真剣だよ。』
優しい声が俺を包んだ。
『かめは赤西を守った。だから、俺らがかめを守るのは、当たり前だよ。』
上田の言葉を最後に、誰も話さなかった。
そして俺は中丸のベッドにお邪魔して、眠りについた。
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