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次の日。
本格的に、昼休みと放課後の練習を集中してやり始め、俺らは汗を流した。
『やっぱり、仁は何やらせても、様になるんだね。』
放課後、ぴぃと亮チャンと一緒に、公共の体育館で練習をしていると、声を掛けられた。
振り向いて俺は唖然とした。
『..ゆい..。』
その声が体育館全体に響き渡った。
ゆいはゆっくりこちらに歩いてきて、ボールを拾ってシュートを決めた。
それからまた、ボールを拾って俺に渡してきた。
『話がある。』
ゆいは俺の目をまっすぐに見た。
『な、に。』
『でも、今日は荷物の整理をしなきゃいけないから、話せないんだよね。』
『噂は本当なんか??』
亮チャンがそう言うとゆいは笑った。
『知ってるんですね。でも、引っ越すのは噂の次の日。』
そう言われて、俺らは黙った。
『仁、勘違いしないでね。亀梨くんと何かあるわけじゃないから。』
ゆいは俺らが言いたいことを先に言った。
そしてゆいは俺を見ながら口を開いた。
『球技大会が終わった頃に、仁に会いに来るね。』
それだけ言って、ゆいは帰っていった。
『....。』
俺は声をかけることもなく、黙ってゆいが帰っていく姿を見ていた。
そこからいつも通り過ごして、一日が終わった。
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