09

7/14

393人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
- A 亀梨が出ていく姿を聖は黙って見ていた。 その姿は、すごく切なかった。 そして聖は、俺らを見た。 『...本当のことも知らないのに、よくあんなことを言えるよな。』 聖の目は、怒りが込められていた。 『何言ってんだよ。聖は、騙されてる。』 ぴぃは聖を見て、そう言った。 『騙されてる??』 『あぁ。亀梨は、』 ぴぃが話そうとすると、聖が掴みかかった。 『お前に何が分かるんだよ!!かめの何を知ってるんだ!!』 俺らは驚いた。 聖のこんな姿を初めて見て、俺らは黙って見つめた。 『山下に何が分かるんだよ。いつも赤西を守ってたのは、かめだ。お前に出来んのかよ。』 『....。』 『かめは、優しい奴なんだよ。俺らが悪者にならないように、色んなことを考えてくれた。』 聖は必死にそう言って、ぴぃに訴えていた。 『かめは赤西のことをいつも考えてた。赤西が出来るだけ、傷つかない方法を考えてたんだよ。なのに、お前らはかめを傷つけて。』 そう言って聖は腕を離した。 『俺は、かめの行動は間違ってたって今でも思ってる。』 そして俺は聖と目が合った。 『赤西。』 『なに??』 『かめは、赤西をいつまでも見守ってるんだよ。』 聖の表情は辛そうだった。 俺が何か言おうとしたら、聖は黙って部屋を出ていった。 『ぴぃ、亮チャン。』 そう言うと二人が俺を見た。 『一人にしてくれない??』 そう言うとぴぃも亮チャンも何も言わなかった。 『大丈夫だからさ。』 そう言うと二人は渋々、部屋を出ていった。 そして、俺は考えた。 中丸と聖が同じことを言っていたのを。 『...。』 そして俺は、ベッドに寝転がった。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加