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亀梨が出ていく姿を聖は黙って見ていた。
その姿は、すごく切なかった。
そして聖は、俺らを見た。
『...本当のことも知らないのに、よくあんなことを言えるよな。』
聖の目は、怒りが込められていた。
『何言ってんだよ。聖は、騙されてる。』
ぴぃは聖を見て、そう言った。
『騙されてる??』
『あぁ。亀梨は、』
ぴぃが話そうとすると、聖が掴みかかった。
『お前に何が分かるんだよ!!かめの何を知ってるんだ!!』
俺らは驚いた。
聖のこんな姿を初めて見て、俺らは黙って見つめた。
『山下に何が分かるんだよ。いつも赤西を守ってたのは、かめだ。お前に出来んのかよ。』
『....。』
『かめは、優しい奴なんだよ。俺らが悪者にならないように、色んなことを考えてくれた。』
聖は必死にそう言って、ぴぃに訴えていた。
『かめは赤西のことをいつも考えてた。赤西が出来るだけ、傷つかない方法を考えてたんだよ。なのに、お前らはかめを傷つけて。』
そう言って聖は腕を離した。
『俺は、かめの行動は間違ってたって今でも思ってる。』
そして俺は聖と目が合った。
『赤西。』
『なに??』
『かめは、赤西をいつまでも見守ってるんだよ。』
聖の表情は辛そうだった。
俺が何か言おうとしたら、聖は黙って部屋を出ていった。
『ぴぃ、亮チャン。』
そう言うと二人が俺を見た。
『一人にしてくれない??』
そう言うとぴぃも亮チャンも何も言わなかった。
『大丈夫だからさ。』
そう言うと二人は渋々、部屋を出ていった。
そして、俺は考えた。
中丸と聖が同じことを言っていたのを。
『...。』
そして俺は、ベッドに寝転がった。
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