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(回想) 授業が終わり、学校を出ると校門の前に、見覚えがある人が立っていた。 『ゆいちゃん??』 俺が声を掛けると、ゆいちゃんは俺を見た。 『仁を待ってんの??』 そう聞くとゆいちゃんは首を横に振った。 『じゃあ、どうしたの??』 『亀梨先輩に用事があるの。』 そう言われて俺はゆいちゃんに手を引かれた。 着いた場所は、公園。 ゆいちゃんがベンチに座ったのを見て、俺はスペースをあけて、ベンチに座った。 すると、ゆいちゃんは俺に近づいてきた。 『ゆいちゃん??』 そう言うとゆいちゃんは俺の学ランのボタンを外した。 『待って。』 俺はゆいちゃんから離れた。 『何がしたいの??』 『亀梨先輩。一回だけで良いです。私と、』 『ストップ。』 俺はゆいちゃんがした行動と言葉から、大体言いたいことがわかった。 『ゆいちゃんは仁が好きなんだろ??こんなこと、意味ないよ。』 俺がそう言うと、ゆいちゃんは俺の腕を掴み、ベンチに押し倒してきた。 『私は女に見えませんか??』 『そうじゃない。』 『だったら、良いじゃないですか。』 そう言ってゆいちゃんは近づいてきた。 『駄目。』 そう言うとゆいちゃんは止まった。 『どうしてですか??』 『ゆいちゃんは仁の彼女でしょ??』 『でも、』 ゆいちゃんは何か言いたそうだったが、俺はゆいちゃんから離れて、話を遮った。 『仁は俺の一番の親友なんだ。だから、仁を傷つけるのは、嫌だ。それに、俺はゆいちゃんのこと、そういう風に見たことは、一度もない。』 そう言うとゆいちゃんは、俺に近づいてきた。 『じゃあ、そういう風に見てください。』 そう言って迫ってくるゆいちゃんを俺は拒否しようとすると、何か落ちる音がした。 それは、見間違えることはない、仁の姿だった。 『何、してるの??』 そう言われて、俺はゆいちゃんを見た。 ゆいちゃんは傷ついた顔をした。 そして、仁も傷ついた顔をしていた。 俺は、決心してゆいちゃんに近づいた。 そして、向こうから見ればキスをしているように、行動した。 少しの間、そうしてから離れた。 『ゆいちゃん、急に呼び出してごめんね。また、会おうね。』 俺はゆいちゃんを見て、恋人のように振る舞って、歩き出して、仁の横を通った。 (回想終了)
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