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全てを隠さずに話し、俺は立ち上がり、少し歩いた。 『これが、真実。』 そう言って俺は振り向くと、赤西は涙を流していた。 『..赤、西..。』 そう言うと赤西は立ち上がった。 『バカじゃねえの。』 『え??』 『何であの時に言ってくれないんだよ。』 涙を流し、必死に赤西は言っていた。 『俺は、この四年間、何も悪くない親友を恨んでたってことなんだよ。』 そう言って赤西は地面に崩れるように、座り込んだ。 俺はそれを見て急いで、赤西の側に向かった。 『..俺は、信じてやれなかった..。』 『...。』 『ごめん。』 赤西は俯いて、そう言った。 『俺は、お前のそういう顔が見たくなかった。だから、俺は隠そうと思った。』 そう言うと赤西は顔を上げた。 『俺がそう決めたんだ。でも、』 俺はそう言って赤西を見た。 『お前に亀梨って言われる度に、俺は心が痛くなった。』 『俺だって、言うのも聞くのも、心が痛くなった。』 そう言うと赤西は俯いた。 『そろそろ、飯の時間だな。』 俺はそう言ってベンチに座った。 『先に、行って。俺が後から行くから。』 俺がそう言うと、赤西はゆっくり立ち上がり、出ていった。 俺は俯いて、ため息をついた。 すると、俺は誰かに引き寄せられた。 俺は顔を上げて、顔を見た。 『..中丸..。』 『かめ。』 中丸の声に俺はまっすぐ前を見た。 『全部、バレちゃった。』 『...うん。』 『俺がもう見たくないって思ってた表情を、させちゃった。』 そう言うと中丸は俺を抱き締めてくれた。 『これで良かったんだ。赤西のためにもなったと思う。』 『そうかな??』 『あぁ。』 『でも、』 そう言うと中丸はさらに抱き締めてくれた。 『あの事は、今は考えなくていい。』 俺が言いたいことを、中丸は分かっていたみたいだった。 そして中丸は体を離した。 『夕食、食べに行こう??聖たちが待ってるから。』 そう言われて俺は中丸と共に、食堂へと向かった。
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