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教室に戻る寸前、竜也が立ち止まった。 それを見て俺は竜也を見た。 『竜也??』 『俺、クラスここだから。』 そう言って竜也は指差した。 『何かあったら、来いよ??』 『...おう。』 そう言って俺はまた歩き出した。 その途中、授業の始まりに鳴るチャイムが響き、俺は立ち止まった。 『始まっちゃった。』 そう呟きながら、俺はマイペースに教室へと向かった。 教室のドアを開けると、みんながこちらを見ていた。 だが、俺は気にせずに席へと向かった。 「おい、亀梨。」 席まであと少しという所で呼び止められ、俺は振り向いた。 黒板には先生と仁の姿。 俺は完全に仁と目が合った。 それを認識して俺は、仁から目を反らし、先生を見た。 『何ですか、先生。』 「授業に遅れて来たんだ。これを解け。」 そう言って先生は黒板の数式を指した。 俺は一息ついて、前に進んだ。 それから俺はチョークを持って、黒板の数式をすらすらと解き明かした。 そして、仁を見た。 『退けよ。それも解くから。』 そう言うと仁は、一歩下がった。 それを見て俺は、仁がやっていた数式を解いて、先生を見た。 『全部、正解してますよね??』 「...正解だ。」 その言葉を聞いて、俺は席に戻った。 それからの授業は、全部出席したが、ほとんどボーッと外を見ていた。 『おい。』 その声に俺は外から視線を移した。 『あ、聖。』 『"あ、聖。"じゃねぇよ。授業、終わったぞ。』 『わりぃ。』 『弁当食べに、裏庭行こうぜ。』 『あぁ。』 そう言って俺は聖たちと一緒に教室を出た。
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