393人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
- A
かずと仲直りをしてから、俺はなんだかすっきりしていた。
聖や中丸たちとも、前の様に話すようになった。
昼休みだって、かずたちと共にお弁当を食べるようになったし、行動も一緒にするようになった。
でも、ぴぃはまだかずを許せないみたいで、話そうとしない。
かずもそれが分かっているのか、必要以上にぴぃに話しかけたりはしない。
帰りの途中、俺はぴぃを見掛けて声をかけた。
『ぴぃ。』
そう言いながらぴぃに近づいた。
『久しぶりに一緒に帰ろうぜ。』
そう言うとぴぃは、黙って歩き出した。
『なぁ、ぴぃ。』
『...。』
『怒んなよ、そんなに。』
そう言うとぴぃは立ち止まった。
そしてこちらを振り向いた。
『なぁ、俺は許すつもりないからな。』
『ぴぃ。』
『話すつもりもない。』
『...。』
『俺は仁を傷つけた亀梨と仲良くするつもりはない。』
そう言ってぴぃは前を見て、歩き出した。
俺は急いでぴぃの後を追うと、玄関の前でかずと出くわした。
ぴぃは黙ってかずを見ていた。
かずも同じようにぴぃを見た。
そして、ぴぃはかずにぶつかるようにして、寮に入っていった。
俺は急いでかずの元に向かった。
『大丈夫か??』
『大丈夫。』
『ったく、ぴぃのやろう。』
そう言うとかずは腕を掴んだ。
『そっとしといてやれ。』
『でも、』
『大丈夫だから。時間が必要なんだ。』
そう言ってかずも寮に入っていった。
俺はその後を追うように、寮に入った。
最初のコメントを投稿しよう!