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- K
約束の前日、俺はある場所に来ていた。
『ただいま。』
そう言いながら靴を脱ぎ、中に入った。
リビングに入ると、母さんが座っていて、こちらを見た。
「和也、おかえり。」
『うん。』
そう言って俺は隣の部屋に入った。
そこには仏壇があって、俺は仏壇の前に座った。
『父さん、久しぶり。』
そう言って線香をあげて、手を合わせた。
「和也、こっちにいらっしゃい。」
そう言われて俺は、リビングに戻った。
そしてソファーに座った。
すると、母さんがお茶を出してくれて、母さんもソファーに座った。
「珍しいじゃない。和也が連絡もしないで、帰ってくるなんて。」
『たまにはいいだろ。ってか、今日は泊めて??』
そう言うと母さんは頷いてくれた。
そして、昼食は二人で外食にして、家に帰ってから共に夕食を作った。
料理が並んで、口に運べばすごく懐かしかった。
『美味い。』
そう言うと母さんは満足そうに笑った。
それから食事を食べ進めて、適当な時間にシャワーを浴びた。
シャワーから上がって、リビングに戻ると、母さんがこちらを見た。
「和也、座って。」
そう言われて俺は、ソファーに座った。
「それで、和也。」
『なに??』
「明日、何かあるの??」
そう言われて俺は母さんを見た。
「母親なんだから、わかるわよ。それに、自分の父さんの前に来たのに、何も無いわけないわ。」
『まぁね。』
俺はそう言って前を見た。
「和也。」
『ん??』
「まだ、決まらないの??」
そう言われて俺は母さんを見た。
「お母さんは、和也に早く決断させるために、この街へもう一度戻ろうと思ったのよ。」
『わかってる。』
そう言うと母さんは俺の髪を撫でた。
「何事も話してみなきゃ分からないと思うわよ。」
そう言って母さんは何処かに行ってしまった。
俺はしばらく座って、それから久しぶりに自分の部屋に入った。
『懐かしいな。』
部屋の中には、俺の思い出の写真が貼ってあった。
その中の一枚の写真を見た。
そこには、中学に入りたての俺と山下が写っていた。
『...智。』
そう呟いて、俺はベッドに入った。
明日のことを考えながら、俺は目を瞑った。
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