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ぴぃとかずが仲直りしたかと安心していたら、次はかずと聖が喧嘩をした。
いつもは四人で行動していたかずたちは、今、二つに分かれて行動している。
かめは中丸と。
聖は上田と。
それを見ている俺らは、何ともいえない雰囲気になっていた。
『和也たちが、あんなんだと俺らはどうしたらいいか、分かんないよな。』
ぴぃは購買で買ったパンを食べながら、そう言った。
『違和感がすげぇしな。』
俺はぴぃに同感しながら、そう言った。
毎度おなじみのこの屋上での昼休みも、なんだか異様な感じがした。
かずたちは、お互いに目を合わさないし、話すこともしない。
お互いがお互いを無視し続けている。
その様子を黙って見ていると、かずが立ち上がった。
そして黙ったまま、かずは歩き出した。
それを見て、中丸は急いで弁当をしまい、後を追っていった。
その時、俺は見た。
聖がかずの後ろ姿を見て、切ない表情をしていた。
でも、俺は言葉を発せれなかった。
聖があまりにも、泣きそうな顔をしていて、俺は声が出なかった。
そんなこんなで、昼休みが終わり、午後の授業が始まった。
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