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相変わらず、かずは頭が良いようで、寝ていたとしても、当てられたらすぐに問題を解いていた。
授業が終わり、先生が春休みの話をした。
「明日の授業が終われば、春休みだ。だからといって、気を抜くんじゃないぞ。」
そう言って先生の話が終わり、下校した。
俺とぴぃの前に、かめと中丸が居て、後ろには聖と上田が居る。
『俺らって、挟まれてるんだよな??』
俺がぴぃにそう聞くと、ぴぃは黙って頷いた。
やっぱりと思いながら、そのままのペースを保って、俺らは寮に帰った。
寮に帰って着替えをしていると、かずが部屋に戻ってきた。
かずはそのまま、着替えを済ませて、椅子に座った。
俺は何も言わずに、椅子に座った。
『ねぇ、仁。』
かずに呼ばれて、俺はかずを見た。
『なに??』
『聞かないの??』
『なにを??』
『何があったかとか。』
そう言われて俺は、椅子ごとかずに近づいた。
『聞いてほしい??』
『...。』
『今は、聞いてほしくないだろ??』
そう言うとかずは、黙って小さく頷いた。
『気になるけど、かずが話してくれるまで、何も言わないし、何も聞かない。』
俺は戻りながら、そう言った。
『本当に、仁ってアホだよな。』
『アホって、今は関係なくない??』
そう言うとかずは笑った。
なんだかとてつもなく、それが嬉しくて、俺も一緒になって笑った。
それからは、かずも一緒に夕食を食べて、聖とは今日も話をしないまま、お互い眠りについた。
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