出会いは突然に…

11/45
前へ
/217ページ
次へ
―ピンポーン そんな私たちに訪れる現実。 家のチャイムの音で、抱きしめあっていて手をゆっくり離し ジッと見つめあう。 ―ピンポーン 更に、響くその音にパパが深呼吸して私たちから離れて玄関に向かった。 「はい。」 パパがそう言って、玄関の扉をゆっくり開ける。 すると、向こうには黒いスーツをビシッと着こなした50歳くらいのおじさんが立っていた。 「朝早くから大変失礼致します。 秘書の橘と申します。友香さまをお迎えに参りました。」 「……っ…」 何も言えないパパの背中を見つめて、涙を流すママ。 そんな2人を見つめて…私は笑顔を作った。 「……それじゃ、行ってくる。」 「友香……」 「余裕!大丈夫。」 「友香…すまない。」 私は、パパとママをゆっくり見つめて… 心の底からの言葉を向けた。 「パパ、ママ。ありがとう… 元気でいてね?」 2人は涙で言葉にならない様子だった。 私はゆっくり玄関を出て、扉を閉めた。 .
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5077人が本棚に入れています
本棚に追加