5077人が本棚に入れています
本棚に追加
「友香さま。
到着致しました。」
「あ、はいっ!」
キョロキョロしていると、玄関らしき場所があって
メイドさんたちが私を待ってくれていた。
「おかえりなさいませ。」
「……っ。」
“言葉を無くす”とは、この事だ…
すごすぎて、何も言葉にならない。
「旦那さまがお待ちでございます。
参りましょう。」
「あ、はい。」
お屋敷の中には、たくさんの絵画や彫刻品が飾ってあった。
「うわーすごい。綺麗…」
「これらは奥様が集められたのでございます。」
「…奥様?
へー、素晴らしいご趣味ですね。」
「友香さま。
こちらが旦那さまのお部屋でございます。」
「…っ!!」
今までの扉とは違った輝きを放つ扉の前で立ち止まって
橘さんは私に微笑んだ。
「大丈夫です。
旦那さまはお優しい方ですので。」
「…はい……」
この中に…私を3億で買ってくれた人がいるんだ…!
さっきまで、落ち着いていた心臓が再び大きく騒ぎ出す。
.
最初のコメントを投稿しよう!