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「うん、さっき知った。」
「俺に気に入られれば、金の心配なんて永遠にせずに済むのに
何で俺に気に入られようとしねーの?」
「あ…そっか。
そういう考え方があったのか…
でも、そういう肩書の前にあなたは“西園寺大雅”っていう一人の人でしょ?」
「えっ?」
「気に入られようとしないのは、あなたを単なる1人の人間としてしか見てないからよ。」
「はぁ?まるで単なる人間としては興味ないってことに聞こえんだろ!?」
「うん、正解!」
「ぷっ、何だそれ。
すっげー失礼だな。」
「そう?あなたのお父様でさえ“おじさん”としか呼んでないし。
人として、男として魅力的に感じない人に、気に入られようとする必要ある?」
「…っ!!!////」
私は、自信たっぷりに笑顔で答えた。
彼が、今まで人とどういう接し方をしてきたのか…
今のこの言葉で分かった気がした。
きっと、彼は悪くない…
周りが、彼をこんな風にしてしまったんだ…
「それじゃーね。」
「おい!」
「何よ、まだ話し?」
「……来いよ。案内してやる。」
「…ホント?」
「ああ。ほら、さっさと付いて来い。」
「…うんっ!」
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