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「お、おかえり。
今日も暑かったね。部活はどうだったか?」
話をそらすパパに笑顔を向けたまま私は口を開ける。
「私が16歳だから何なの?」
「っっ!!」
「16歳だったら何なの?
もうすぐ17歳になるけど?」
そんな私に、パパは溜め息を吐いてイスに腰掛けた。
「…聞いていたのか。」
「最近、ずっとパパもママも元気ない。
でも、今日は特別、本当に元気がないよ?
ちゃんと話してくれなくちゃ…分からない。」
「…ふう…。そうだな。
全てを話そう。そこに座りなさい。」
「…はい。」
私はパパの目の前のソファーに腰掛けた。
「パパの会社……倒産しそうなんだ。」
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