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「君、何か惜しいなぁ…、何か足りないんだよね」
「て言うかさ、ロックやりたいならバンドでも組んだらどう?ソロで出てすぐに曲作ってもらえると思ったら大間違いだよ」
「ロックで限定されると余計にね」
ここもダメか…。
意気込んでオーディションを探しまくってからすでに2週間が経っていた。
そう、あの男と出逢ったあの日から…。
あれから受けたオーディション27回。
おっさんが言っていたように片っ端から受けた。
メジャーなレコード会社からマイナーな所まで。
しかし、これまた見事に玉砕。
これで計41回のオーディションに落ちた事になった。
「何でだよ…」
こんな筈じゃなかった。
アタシの予定ではすでにプロモーションビデオの撮影に取り掛かってもいい頃なんだ。
なのに何だこの様は…
情けねぇ…
「あぁー!!ちくしょー!!」
思わずキーボードをバンバン叩く。
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