第16話 "復讐代行者"の真実

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「やはり……さすがに気づくか……」 そう言って路地の影から現れ、遠夜の目に入った人物はーーー。 全身を黒で統一した格好をしている、斑鳩(いかるが)章介であった。 遠夜の手は自然と、羽織っていた上着の内ポケットへと伸びていく。 「こんなところで……"それ"を使うつもりか?菅井遠夜」 「…………」 挑発的とも言える斑鳩の言葉に、遠夜は内ポケットに手を入れたまま、さらに斑鳩を睨みつける。 斑鳩はゆっくりと遠夜に近づいて来て、ある程度遠夜と近くなったところで立ち止まった。 「……場所を変えようか。 こんなところで、お前の持つ"2つの拳銃"は使えないだろう? それに……」 斑鳩は言葉を止め、遠夜に背を向けて言う。 「私からお前に、話しておくべきこともあるし……な」 意味深な言葉を残し、斑鳩はそのまま振り返らずに歩いていく。 ついて来い、ということだろう。 遠夜は内ポケットから手を出して、斑鳩を見失わないぐらいの距離を保って、ついて行った。
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