第零話 『白面』

2/3
前へ
/3ページ
次へ
此処は地下の大空洞… 陰湿な雰囲気を醸し出すこの場所に、二人の男は居た。 一人は赤いコートを身に纏った白髪のオッドアイの男。 その表情は畏怖と焦燥、苦痛が入り交じった複雑で曖昧なものである。 そして、もう一人は白い面をつけた謎の男。 全身が白を基調としたその出で立ち、気配は見る者に畏怖を感じさせる程だ。 その白い面の中の表情は読み取れない。 「どうした?ラグナ=ザ=ブラッドエッジ!」 白い面の男が赤いコートの男に刃を向けながら言い放つ。 赤いコートの男---ラグナは息を切らしながら大剣を構えた。 その次の瞬間だった。 「「!?」」 突如、白い面の男の身体が透け始めたのだ。 白い面の男はすぐにこの状態、そして誰がしているのかを見抜いた。 「チィッ!!クッ、事象干渉か!邪魔をするな、化け猫め!!」 白い面の男がこう叫ぶと、その姿は跡形も無く、無くなっていた。 「な……消えた……?レイチェル?じゃねーよな……。なにもんだったんだ一体……。」 ラグナは何があったのか理解出来ず、ただ一人陰湿な地下大空洞に残されていたのだった…
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加