日常

6/9
前へ
/12ページ
次へ
「ごめんなさい」  日暮より先に謝罪の言葉を口にしたのは、何と椿でした。 「私が知らないばっかりに、夕顔さん、本当にごめんなさい」 「いっいや、言わなかった俺も悪い」  日暮は頭を下げました。 「夕顔さん見て見て。小鳥がソーメン食べてるよ」  京がいつの間にか小鳥の前に陣取り、ソーメンをあげています。  椿と日暮は京の方を同時に見て、同時にお互いの顔を見合わせ、同時にため息をつきました。 「おい、可愛いな!」  京は必死に話しかけています。 「オウムや九官鳥じゃないんだから」  椿の呟きも、京には聞こえていません。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加