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そんなことを考えてしまう自身のことも更に嫌になり、自己嫌悪という鎖が絡まってくる。
とことんなまで非力と無力さ、何もかもどうでもいいやという気分に嵌まり、いつも決まってこの口癖が出る。
「……死んで当然」
つい妹が後ろにいることを知らず口走ったら、後頭部にハイキックを貰った。
格闘術を学んでいる素振りを見ない割に体が軽く3mは飛んでいる記憶は今でも鮮明に思い出せる。
本当に小学生か?と今だに思う
というか、トラウマという追憶に新たな1ページを刻んでしまった。
それ以降、妹の前で自己嫌悪になりづらくなった。
……良いことの筈なのに荒療治の所為で何か釈然としない。
「帰らないとな」
このまま、自分が思考に耽っていると自己嫌悪の鎖に雁字搦めになってしまう。
……妹を思いだした所為でいつも助かっているとは思いたくないけれども。
頭を軽く振り、小さめに深呼吸する。
軽めの溜息を吐き捨て、座っている自分の机から立ち上がる。
今の時間帯は授業も終わっている放課後。
必要最低限のみ入っている自分の鞄を掴み、人が少なくなっている教室を出て下駄箱へ向かう。
下駄箱で靴を履き替え、歩きながら運動場が目に入る。
4月が終わり慌ただしかった部活勧誘も終わり新入部員が慣れ始める5月。
毎日毎日部活に精を出す運動系列の部活動が張り切って声を出していた。
そんな奴らを見ていると頭がまだ自己嫌悪に支配されそうになる。
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