自虐的な少年

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……なんか瞼の下がつり上がって笑ってる。 絶対笑ってるな。 ちくしょ、笑ってんじゃねー! ぶっ飛ばすぞコノヤロー! とか何とか思っても結局口に出していないのでやっぱり自分はチキンだと痛感する。 だって、悪い印象与えたら死ぬかもしれないし、という言い訳が真っ先に思いつく限り自分はどうしようもない。 ……死んで当然とか言っている時はあるけど、自虐的になっているだけであり実際に死にたい訳じゃない。 むしろ生きたいし、生きるのに疲れるとか言っても心の底では死にたくない。 人間、追い込まれればプライドや恥なんて捨てるんだから。 頭の中でテンパっている内に下から落下先に光が見えてくる。 ようやく出れるのかという安堵感と先に何があるかの不安感。 久しぶりの様に感じる光のあまりの眩しさに目を閉じる。
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