プロローグ

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苦しそう、苦しそう。 あぁ、そんなに顔を歪めて。 可哀想に、可哀想に。 呼吸するのも辛そうだ。 水に濡れた髪の毛は色っぽく、頬に張り付いて唇は空気を求めて微かに、動く。肩は震えていた。目は俺を見てる。鋭く。 そんなお前の顔が、愛しくて愛しくて。 もっともっと、泣いたらいいよ。泣いた分だけ君は俺を、想うでしょう? その感情に例えどんな名前がついたとしても、それは、俺だけのもの。 ねぇ、息ができないの?大変だね。 助けて欲しいなら言ってみなよ。今お前の近くにいるのは俺だけなんだから、俺しか頼れない、だろ。 呼んでよその、君の声で。 “ひかる”って。 そしたらずっと、一緒だよ。 .
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