月の行方と闇

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「私…探します。」 憂木野が沈黙を破る。 「探す?」 憂木野はさっきまでとは別人のような顔つきだ。 「松村先輩を連れ戻します。」 「「「!!」」」 憂木野の目は本気だ。 「まて、憂木野。何を…」 「いいんです、石橋先輩。」 「いいわけ…」 「私が勝手にする事です。」 「待てって!!落ち着け!よく考えろ、非現実的だぞ!家出の方がまだ現実味があるくらいだ!」 「そうですね、可能性も薄いです」 「だったら…」 「ですが、ゼロじゃないです」 憂木野が部室の戸に手をかける。 「私はそれを追いかけます」 「お前…」 「失礼しました。」 憂木野は深く礼をし、出て行ってしまった。 憂木野の残した沈黙を破ったのは篠原だった。 「憂木野が行くのに俺等は待ってるだけかよ?」 「そんなことできねぇよ」 「…行こ、慶くん助けにっ!!」 目を合わせ、三人は同時に憂木野を追った。
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