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その時、レオニールが弾かれたようにバッと顔を上げ、校舎のほうを見た。
「どうしたんだ? レオ」
「…………陛下の匂いがする」
「はい?」
「間違いない、この匂いは陛下だ!!」
「お、おい、レオ?!」
人の波をものともせず、レオニールは駆け出した。
その先に見慣れた後ろ姿が―――
「陛下っ!!」
「??
レオニール……?
レオニールなのか!!」
「はいっ!!」
アキレスの目の前まで走ってきたレオニール。
パァッと明るい笑顔に、アキレスも思わず笑顔になる。
「陛下、申し訳ありません。
あの戦いで、私は……」
「何も言うな、レオニール」
そっとレオニールの肩に手を置いたアキレス。
「それ以上言ってしまったら、小説をまだ読んでいない者達へのネタバレとなってしまうぞ」
「!!?」
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