始まり

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真夜中 k都・吉田氏邸宅 仮面を被りマントを纏った姿の四人組が、全国的に有名な電気機器企業の社長であり富豪・吉田氏の邸宅に侵入した 4人組が盗っていったのは何てことはない、ただの古びた小さな手のひらサイズの石像 今時、予告状を丁寧に吉田邸、担当警察署に送り付けてあったので勿論、警備は万全だった ……が、度重なる邸宅への落雷や火事の発生、挙句の果てに扉や窓が勝手に解放されるなど怪奇な現象が起こり現場は混乱に陥る 当日、現場に配備された警察のトップ、榊原(サカキバラ)警部以外は混乱に大童、犯人とは彼だけが対峙した 「それじゃあこれは返してもらうよー」 青色の仮面を着けた一人が女の声でハキハキと言った 「あ、あるべき場所へ返さなきゃダメだもんね」 紅い仮面を着けている一人が続ける 先程の女よりも少し柔らかい女声だ 「借りたら元の場所に戻せっての、お前ら教わらなかったのか?」 今度は男の声だ 仮面は白をベースに紫の模様が交錯している 「……全くだ」 最後に口を開いた黒仮面は落ち着いた声色をしている男だ 「!? ど、どういう意味だ?」 榊原は四人の言葉を理解しかねていた 「意味も何も、そのまんまだっつーの」 「それじゃあいつかまたね、刑事さん」 そう白紫仮面の男と紅い仮面の女が決別の言葉を言うと、 「ま、待てッ!!」 と、制止を求めた榊原を無視し、四人は夜の闇に姿をくらました
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