四人の主人公

3/9
前へ
/11ページ
次へ
俺の名前は雷門珀斗(ライモンハクト) 虎城学園高等部の三年生だ 天然の茶髪の短髪頭だけど、校則が黒髪じゃないとダメだからっていうから今は定期的に黒染めしてるが非常にメンドーだ ま、愚痴はここらへんにしといて…… さっき、身体を動かすことが、つまり『自称』ヒトより運動神経のいい俺が一番の得意科目の体育の授業が最終限でやっと今日一日が終わった 放課後、俺はいつもつるんでる仲間の笹塚健太(ササヅカケンタ)、小金井雅(コガネイタダシ)、琴岡廣寅(コトオカヒロノブ)と一緒に街をブラブラしていた 大通りに差し掛かり信号待ちをしていると、 「なぁ……あれ」 と健太が通りの反対側を指差した その先では大きな街頭モニターがニュースを流していた 『昨日、k都で株式会社G&Eの社長・吉田さんの自宅に泥棒が入りました。犯人はいまだ捕まっていません。警察は―――』 「へ~、社長宅に侵入かぁ……スゲーな」 ニュースを見た雅は一種の感嘆の声を上げた 「いや、こーいうのに限ってすぐ捕まるんだよ」 「でも見ろよ。足取りが全くつかめないってさ!」 俺の言葉に廣寅が反論する 「そりゃスゲーな」 他の三人がワイワイ言っている間に、俺は平常心を保ちつつ、昨日のことを思い出しながら顔が笑いそうになるのを堪えていた
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

417人が本棚に入れています
本棚に追加