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フワリと体が宙に浮く。
一瞬の浮遊感。続いて重力を感じた。
そんな中、僕は何故か冷静で……グッと体を捻って、背後を振り返る。
そして、僕の目に映ったのは、白い手が伸びて来る所。
手? と不思議に思ったら、その手は僕のコートの胸ぐら辺りを掴んだ。
ガクンという衝撃。
「――ガッ、は」
思わず変な声を上げ、僕は宙で静止する。
気のせいでは無いだろう。ビリッ、というコートの悲鳴が聞こえた気がした。
それに次いで聞こえたのは――
「死にたいだなんて、あなた生きてる人に失礼よ。死んで詫びなさい」
その行動と真逆の言葉。
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