コイノウタ

12/18
前へ
/18ページ
次へ
劉備は空をまた眺めながら、静かに答えました。 「私の夢は…仁の世を築くこと」 「仁の世って…どんな世の中になるのかな?この空みたいに…静かな世界?」 孫尚香がそう言うと、劉備はまた笑いました。 「それもある。私は…な、この世の全てから戦がなくなるまで…戦い抜く」 その答えに孫尚香は目を丸くしました。 戦を無くすため…この人は戦っている。 今の世では、夢物語と笑われてもおかしくはないほどの… でも、孫尚香はそれを聞いて… 「玄徳様…私も、貴方の夢を叶えたい。だから、私…貴方についていきます」 「尚香殿…」 夫の夢を…叶えたいと思いました。 そして心の中で彼女は密かに誓いました。 …生まれた時は違えども、死にゆく時は一緒に…と。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加