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「まだ治んないの?」
「うん。一生治んない」
「走るの嫌いなの?」
「いや、すき」
先輩が分からない。
すきなら走ればいいのに。
「ね、軽く走ってみてよ」
「ムリ」
「なんで」
「足、ケガしてる」
先輩、どうして?
なんで走ってくれないの?
「治ってんじゃん…」
「まだ治ってねぇ」
「先輩、あたしの事…きらい?」
「…すきだよ」
先輩は嘘つきだね。
「嘘ばっか」
「マジなのに。翼は走んないの?」
嘘をついた後、すぐ話しを変えるのは先輩の癖。
あたしが大嫌いな癖。
「先輩が走ってくれたら走る」
「じゃー一生走れねぇな」
一生走る気ないんだ…。
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