21人が本棚に入れています
本棚に追加
オレの幸せな日々も
終わりを迎えようとしていた
絵描きとオレはいつものように
絵を描いていた
オレは外を見て
絵描きは必死に
その場面をスケッチブックに描いてた
すると鉛筆が落ちる音がした
…カラカラカラ…
その後にバタッと何かが倒れる音
オレはとっさに嫌な予感が
頭の中をよぎった
後ろを振り返るとやはり
絵描きが倒れていた
最近ろくに絵描きは食べ物を
口にしていなかった
オレは急いで絵描きのそばに
駆け寄った
絵描きは
「紙とペンを持ってきてくれ」と
言った
オレは机の上にある紙とペンを
口にくわえ
絵描きのもとへ届けた
そして絵描きは最後の力を
ふり絞るようにペンを持った
絵描き何かを書き始めた
…スラスラスラ…
絵描きは書き終わったらしく
封筒にその紙を入れ
その封筒に
Dear My Friend
と書いた
すると彼はこう言った
走って 走って
こいつを届けてくれ
夢を見て飛び出した
俺の帰りを待つ恋人への手紙だ
最初のコメントを投稿しよう!