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「学校は……」
「あいつの学力なら問題無い。あいつの友達も慣れてるからそこまで心配しない。」
追いかけながらリオは質問を続けようとするが、弥幹は遮り、答えを述べた。
「弥月を信じてやってくれ。時間はかかるかもしれないが、あいつはちゃんと自分なりの答えを見つけて部屋から出てくるさ。」
リオは、そう言いながら笑う弥幹を見るとなんとなく本当に大丈夫なんだろうと思った。なぜなら、弥幹の表情に心配の色が少しもなかったからだ。
(いつもなら弥月さんの事で一番大騒ぎする人がそう言うんだからこれでいいのかな。)
「わかりました。それじゃあ昼食は私が用意しますね。」
リオは弥幹と弥月を信じてみることにした。
「さあ、弥幹は学校に行く時間です。さっさと朝食食べて行かないと遅刻しますよ。」
リオは弥月に朝食を届け終えた弥幹に言った。
「え?今日は俺も……」
「弥幹は行きなさい。」
わがまま言い出そうとする弥幹にリオは一瞬の隙もなく言葉でねじ伏せる。
「……はい。」
弥幹はしぶしぶながらリオに従った。
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