魔法の簡単な使い方

魔法なんてあってたまるか!!

かくして今晩の献立が出揃い、兄さんもいつもの席に着く。
「さて、いただきます。」兄さんの一言を皮切りに私達は食べ始めた。
「兄さん、今日は大学で面白い講義あった？」
私はそれとなくかまがけしてみる。
「……そうだな、電磁力兵器の簡単な壊し方なんて意味の解らん講義はあった。」
兄さんは少し考えて答える。それにしても兄さんの大学は変な講義が多いとつくづく思う。
「私なら磁場の歪曲で自爆させるかな。」
「電力の上乗せでショートさせるとか言ってた。」
兄さんは残念とでも言うように意地悪い笑いを浮かべて答えを言う。ちょっと悔しい気がするのは何故だろう。
「まぁその答えも正解だけどな。」
兄さんはそんな私をみてか、微笑して言う。
その後もそれぞれの講義の話や今日あった面白いことを話しながら、何事もなく晩御飯を食べ終えた。