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晩御飯を食べ終えた後もしばらく兄さんの動向を気にしていたが、何も行動をおこさないのでお風呂に入る頃には警戒心も消え去り、全て杞憂だったと思うようになっていた。―――――
そう、この判断が誤っていた。私は兄さんを甘く見すぎていた。それを知るのにこの後あまり時間はかからなかった。―――――
私がお風呂から出ると、兄さんは明日の朝御飯とお弁当の仕込みをしていた。私はお風呂上がりに冷たい麦茶を飲もうと冷蔵庫を開けた。
「弥月、ちょっと話があるからそこに座って。」
兄さんは仕込みを一区切りつけると、テーブルを指して言った。
私はなんだろうと思いながらも何の疑いもなく椅子に座った。これが始まりと知らずに……。
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