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私が麦茶を飲みながら待っていると、仕込みを終えた兄さんが私の前の席に座った。
「それで、話ってなに?」
席に座った兄さんを確認すると、私は早速切り出した。
「うん、実は弥月に隠してる事があるんだ。」
兄さんはいきなり真顔で話し始めた。私は少し驚いたけど頷いて促した。
「実は俺、魔法が使えるんだ。」
「……」
兄さんの意味不明な暴露に、私の思考は一時停止した。しかし、それは一瞬の事だ。
「寝言は寝て言えバカ兄!!」
私は怒鳴た。私を馬鹿にするのも止めてほしい。
「いや、これは馬鹿にしてる訳じゃなくて本当の事なんだ。」
兄さんは諦めずに言い募る。
「なら、証拠を出して。」
そんな兄さんに私は無理を言ってやる。
「あぁ、その手があった。」
兄さんは私の言葉に納得して言う。
「我が声に応えよ 我汝と契約せし者 …… 我が前に姿を顕せ 『召喚 水精 リオ』」
兄さんが詠唱を始めると、窓は全て閉まっているのにどこからか風が吹き始めた。そして、詠唱の終わる頃に、床に複雑な模様の陣が現れ、詠唱が終わると同時に陣が光り出した。
「うっ」
私はその光の量に目を瞑った。そして、光が引き、そっと目を開けると、そこには青い髪の毛の少女がいた。
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