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「……」
「こんばんは」
少女は呆然とする私に可愛い笑顔を向けて挨拶してきた。
「え、あ、こ、こんばんは……」
私は慌てて挨拶を返すと、再び呆然とした。何故なら、彼女は空中に正座を崩したような体勢で浮いていたから。
(え、どうやって浮いてるの?いや、まず最初の演出は何をしたの?どうやって風を作った?あの光の光源は?どうやって光で陣を描いた?)
私は疑問ばかりが浮き上がり、浮き上がる疑問への答えは一つとして出てこなかった。
【そろそろ信じてよ。さすがに科学で証明できない事やったんだし。】
困惑する私の頭に、突然兄さんの声が響いた。驚いて兄さんの顔を見ると、兄さんは苦笑していた。
【これは念話だよ。弥月も覚えれば便利だよ。】
私の許容力ではここまでが限界だった。私は、この念話を聞いてすぐに気絶した。
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