一章

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一章

 四月にしては、やけに冷たい雨が降っていた。  一人の青年が口を開かず、ただ、ビルとビルの間の路地でうずくまっていた。  その手には、電灯の灯りで黒光りする一本のナイフを握りしめて……。
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