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しばらく歩くと真っ白いパレスの門の前に着いた。
案内係だろうか、細い背の高い人間の男の人がひとり、入口の前に立っており、僕らに向かってお辞儀をする。
「こんにちは、ミシェル様。お久しぶりでございます。本日はどのようなご用件でしょうか。」
「こんにちは、今日も輪廻転生の手続きに来たの。彼が今日の私の担当、木村栄太さん。」
ミシェルの説明を聞いて、礼儀正しい執事は少し目を見開き、左様でございますかと言って指をパチンと鳴らす。
するといかにもサンタクロースが乗っている様なソリが出てくる。
やはり色は真っ白であったが。
そしてトナカイのいるべき場所には、白銀に光る毛並みの整ったユニコーンがいた。
「うわ、うわ、すご、綺麗。」
興奮のあまり上手く言葉が出て来ない。
ユニコーンなんて初めて見たが、こんなにも美しい動物はこの世にいないと思った。
まあもっとも、ここはあの世だが。
「興奮しすぎよ、栄太さん。そのソリに乗って。パレス迄それに乗って行くから。」
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