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洞窟はほぼ一本道だった。
壁に所々、人が一人通れるぐらいの穴が空いていたが、今のレオンにこの洞窟の全てを把握する時間はない。
少しずつではあるが呼吸が苦しくなってきている。
『灯り』により体内の魔力が消費されているのだ。
無から有は作りだせない。
魔力が底をつけば後は『枯れる』のを待つだけだ。
「死にたければ絶対『枯れる』な」
魔術を学ぶ者が最初に覚える言葉。
実際に『枯れる』ところを見る者は決して多くない。
大多数は実態を知らぬまま人生を全うし、死に至る。
レオンも見たことは無かった。
「……最悪、無茶してみる……ってのも」
良いかもしれない。
冗談とも本気ともつかないことを吐き、思いながらレオンは奥へと進んだ。
緩やかにカーブしているらしく、後ろを振り返っても広がるのは闇ばかり。
今や『灯り』だけが唯一の光だった。
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