Ⅱ:蒼き竜

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『竜の巣』を横断するのではないかというほどの洞窟の長大さだったが、やがて、前方に煌めくものが見えてきた。 レオンが近づくたびに煌めきははっきりとした形をもち始め、後十歩というところに迫ったときには、ちょうど大人一人が通れるほどの光へと変貌していた。 光は目を開けていられないほど強く、光の向こうに何があったとしても、それを伺い知ることは出来ない。 一瞬、レオンは躊躇った。 どんなに疲弊していようと、やはり人間だ。 未知のものに身を委ねることには抵抗があった。 しかし、ここで躊躇ったところでやれることはそう多くない。 このまま来た道を引き返し、闇の中で朽ちるより光に向かったほうが良いように思われた。 「……よし」 目の前に片手を翳し光を遮りながら、レオンは光の中を通り過ぎた。 光は耐えきれないほど強くなり、そして鎮まった。 「……これは」 恐る恐る目を開けたレオンの前に広がったのは、今までとは打って変わった明るい場所だった。
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