Ⅳ:襲来

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「……奴らは『竜』に手を出そうとした。だから潰した」 シーラはふと気づいたように手の力を抜いた。 頭を振り、再び剣を差し出しながら、苦笑。 「……はずだったんだけどな」 今回は無事、剣を受け取ることができた。 「お前の剣だ。防具もちゃんと保管してあるが、今は時間がねぇ」 本来ならここでこうして話しをしていることさえもどかしいはずだ。 レオンは黙って頷くと、剣を鞘から抜いた。 「…………」 ……良かった、歪んでない。 気づかれないようにレオンはほっと息を吐く。 有り得ないとはわかっていても、シーラを前にすると確かめたくなってしまう。 剣の安全を確認すると、レオンは鞘から手を放した。
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