Ⅰ:旅の終わり

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事実、魔導騎士になるためには、剣術、魔術に秀で、竜に認められなければならない。 竜に対等だと認めさせ、その背に跨ることが出来て初めて魔導騎士になれるのだ。 レオンが落ちこぼれといわれる所以もそこにあった。 何が原因なのか定かでは無いが、レオンと竜の間にはどうやら相容れない何かが横たわっているらしい。 レオンが近づくだけで竜は怒り、手がつけられないほど暴れた。 試行錯誤の末、死人がでたところでレオンに竜があてがわれなくなった。 すべてを失い、なおも生かされるあまりにも残酷な日々、ふと耳に入った竜の噂にレオンは突き動かされるように宿舎を出た。 背任行為として処罰されてもおかしくなく、たとえ『竜の巣』までたどり着けたとしてもそこは竜の土地、蒼き竜にたどり着く前に他の竜に喰われてしまう危険性もあった。 それでもレオンは足を止めなかった。 そして今。
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